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| 中村 磨美＠横浜市 記 |
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| もう５年も前になります。３０代最後の記念に何かしたいと思っていました。
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| そもそも私がLSDの世界に足を踏み入れた直接のきっかけは、３人目の子供が９月９日に生まれた年
の体育の日、町内の運動会のかけっこに出る女の人がいないからと頼まれて気楽に走ったかけっこで、
Gパン姿の年輩の女性にいとも簡単に抜かされて大ショックを受けたことでした。体力の衰えを何とか
したい、育児や家事や仕事に支障を来さず、空いた時間にいつでもどこでもできることはと考えたあげ
く、その当時ブームになりつつあったマラソンのかっこよさに惹かれて走り始めました。とはいっても
最初は５０mも走れずゼイゼイと立ち止まってしまう有様で、フルマラソンを完走するなど夢のまた夢
でした。大会に出場することも走行距離を伸ばすこともなかなか思うようにいきませんでしたが、家族
の理解に支えられ、何年もかかりましたが、５km,１０km、３０km、フルマラソン、６０km、１５０km、
２５０kmと走れる距離は少しずつ伸びていきました。もちろんそれは、素人でよたよたと頼りなくたっ
た一人で走っている私を見るに見かねて助けて下さった数知れない方々のご親切があったからこその
ことです。
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| そんな調子で細々ながら続けてこられたLSDの力がどの程度のものなのかを確かめてみたいという
気持ちもあって、「さくら道」「萩往還」連続完走を思い立ちました。家族にその気持ちを話すと、い
つものように「まあ、いいんじゃない」とお許しをもらい、職場の休暇も何とか取れ、意外に簡単に実
現することができました。
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| 時間内連続完走に向けての課題は、「さくら道」でいかに心身の疲労感を最小限に押さえ、「萩往還」
につなげるかということでした。持病の椎間板ヘルニアの身体にできるだけ負担をかけないように、制
限時間をいっぱいに使ってできるだけゆっくり走ろうというまるで当たり前の対策しか持たないまま、
「さくら道」がスタートしました。
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| 「さくら道」は初めてでしたが、またいつものように私を助けてくださる救世主が現れました。東海
道などでもおなじみの三輪氏でした。それまでの私は、ウルトラマラソンではとにかく休まず、どんな
にゆっくりでもよいから歩かずに走り、１歩でも前へ進むことだと思っていました。ところが私を見る
に見かねて声をかけてくださった三輪さんは、本当によく歩かれる方で、それも恐ろしく速いスピード
で、私が必死で走ってやっと追いついていかれるくらいでした。「歩いたって大丈夫だよ」「眠くなっ
たら眠ればいい」それを平気でひょうひょうとやってのける三輪さんに私はとても驚きました。しかし
ながら、それは、大変緻密なレース運びの計画に裏付けされたものとわかり、それまでほぼ行き当たり
ばったりにレースをしていた私にとって、貴重な勉強となりました。三輪さんの後ろを歩き、走り、休
み、心にも体に優しいレース運びに乗せていただきながら、「この調子でいければ萩も完走できる」と
確信していました。私のようなとんでもないお荷物を背負わされて、三輪さんにはたいへんご迷惑をお
掛け致しましたが、海宝さんやスタッフの皆様、その他たくさんのランナーの方々にも助けていただき、
初めての「さくら道」を何とか時間内に無事完走することができました。 それから数日後の「萩往還」
では、「さくら道」で学んだことを生かし、何度か走っている経験から私なりの粗々のレース運びを考
えて、ひたすらぎりぎり時間内完走を目標に望みました。ここでもやはり、小野さんやスタッフの皆様、
その他たくさんのランナーの方々に助けていただきました。特にいつもはランナーとして参加されてい
た私の大好きな三野宮さんがその時はスタッフで参加されていて、専門の指圧で私の限界に近いぼろぼ
ろな身体にたくさん元気を与えてくださいました。そして私が確信したとおり、制限時間ぎりぎりでは
ありましたが、「萩往還」も何とか無事に完走することができました。
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| 「さくら道」「萩往還」連続完走だけでなく、いつも１つレースを終えるたびに、感謝の気持ちでい
っぱいになります。レースに参加できたこと、完走できたことは、私にとって当たり前のことではなく、
私が留守をしている間、家を守ってくれた家族がいる、レースの間私に力を与えてくれたスタッフやラ
ンナーの方々がいる、休暇を取らせてくれた職場があるからこそなのだと。ありがとう、ありがとうと
いう思いでいっぱいです。
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| 今の私にとって、LSDの世界は、家庭や仕事から離れて、自分自身を見つめ直したり、自分自身と向
き合ったり、様々な人生を素敵に生きていらっしゃる方々に出会うかけがえのない場です。
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